相場動向や為替動向を見極めるのに必要なことは何か?

株式投資

投資で勝率や利益率を向上させるには、相場の方向性や転換点を見極めることが不可欠です。しかしこれは、口で言うほど簡単なことではありません。どれほど優れた投資家やアナリストでも100%見極めることは不可能です。では反対に、全く判断基準がないかと言うとそうでもありません。「ファンダメンタルズ」「経済指標」「出来高の変化や板情報」「投資家心理」などを分析することである程度の見極めは可能になります。

そもそも相場動向や為替動向はどのように定まるのか?

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株式相場や為替相場は銘柄や通貨によってはミリ秒単位で価格が形成されます。そして形成された価格が時間と共に線として繋がり動向として表されていきます。

では、価格が形成される一点はどのようにして定まるのでしょうか?

それは投資家心理やアルゴリズムに基づく多数決に他なりません。株式相場であれば、買いたいと思う人が発注する株数が売りたいと思う人の株数より多ければ株価は上昇し、反対であれば株価は下落します。日々のニュースや発表される経済指標をはじめファンダメンタルズ分析すら投資家心理やアルゴリズムに影響を与える材料に過ぎないのです。


見極めるためのポイント

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相場動向や為替動向を見極める上で最低限知っておかなくてはならないことがあります。それは次の4つです。

① 相場を支配しているのは日本人ではなく外国人投資家である
② マーケットにおける多数決は人数ではなく株数
③ 同じ材料でも相場環境によって投資家に与える心理は変化する
④ アルゴリズム取引の影響力は日々増している

例えば日本の株式市場を売買代金ベースでみると、外国人投資家比率がおよそ60%を占めています。また、先物市場では80%近くを占めるとも言われています。為替にしても同様です。通貨の市場別取引高では、ロンドン市場とニューヨーク市場でおよそ60%に及びます。投資家心理を読み解くとき、日本人の感覚で判断してしまうと大きな過ちをおかしてしまう可能性があります。あくまで主役は外国人投資家であるとの認識が必要です。

株価は多数決により価格が定まりますが、この多数決は人の数ではなく株数によるものです。例えばある材料が発表されたとき10人中9人が下落すると考えて売り注文を発注したとしても、残りの1人がそれ以上の株数を購入すれば株価は上昇します。実際のマーケットでは前者が個人投資家で後者が機関投資家にあたります。日本の株式市場では所有者別株主数では個人投資家が97%以上占めているにも関わらず、株式保有数では17%ほどしかありません。日々の取引では、機関投資家の動向を把握することは非常に重要です。

仮に同じ材料が出ても、相場環境により株価に与える影響が異なります。これは価格に関しても言えることです。例えば現在の価格が一年前と同じであったとしても、その時の相場全体の流れや状況により投資家の心理状況は大きく異なります。

アルゴリズム取引とはコンピュータシステムを用いて自動的に売買を繰り返す取引を指します。また、アルゴリズム自体は効率的な処理手順を意味します。本来のアルゴリズム取引も、大量発注時に生じるインパクトコストを軽減する為に、株価や出来高、板情報をコンピュータで処理し効率的なタイミングで発注を行うというものでした。しかし、近年ではシステムの高度化や高速化が進み、アルゴリズム取引が相場に与える影響も大きくなっています。アルゴリズムによる取引では、人が取引を行う際に生じる心理的要素が排除されます。さらには、取引全体におけるアルゴリズム取引の割合も年々高まってきており、相場動向を見極めるうえで無視できないものとなっています。

ファンダメンタルズ分析の有効性

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相場動向や為替動向を見極めるのにファンダメンタルズ分析を用いることは有効な手段です。ファンダメンタルズの指標には、収益・資産・キャッシュフローといった財務諸表の裏付けがあります。相場動向を見極めるのには不可欠な存在です。

※PERの使用例

特に有名なファンダメンタルズ指標にPERがあります。
PERとは株価を一株あたりの利益で割り指数化したものです。一般的には数値が低いほど割安であると捉えられています。基本的な使い方としては、マーケット全体や業種別のPERに比べて割安か割高かを判断する方法です。また、過去のチャートからPERがどの水準で株価が転換したかを探ることもできます。しかし注意も必要です。まず一つ目としてPERが低いということは、これ以上成長性がないとマーケットが判断している可能性があります。また、そもそも企業が赤字に陥れば、指数自体無意味なものとなってしまいます。業績悪化懸念を起因とする下落局面では過度の期待は禁物です。

※PBRの使用例

PBRもPERに並ぶ知名度を誇ります。PBRは純資産をもとに算出されていますので、下降局面ではPERより利用価値は高いと言えます。特にPBRの1倍割れは、帳簿上での解散価値よりも株価が低いことを意味します。したがって、下値を探るのには有効です。しかしこちらも注意は必要です。PBRが低いということは資産を上手に活用できていないと読みとることもできます。PERとは反対に景気拡大局面では不向きであると言えるかもしれません。


まとめ

相場動向や為替動向は「ファンダメンタルズ」「経済指標」「出来高や板情報」「投資家心理」を分析することにより、ある程度見極めることが可能です。今回ご紹介したのは、ほんの一例です。また投資対象先や保有する期間によっても重要視される指標や材料は変化します。相場観や知識を身に着けることで、より的確な見極めが可能になるのではないでしょうか。