株式の投資におけるリスクとは?測定と活用方法

株式投資

株式の投資で「リスク」と言う言葉はいやほど耳にすると思います。

しかしその「リスク」について皆様はどこまで把握しているでしょうか?なんとなくイメージしている方や、理解が曖昧な方もおられるのではないでしょうか?

今回は、「株式投資におけるリスクとはいったい何なのか?」というリスクの本質に迫り、投資を行う上でどのように測定し活用すれば良いのかをお話しします。

リスクとは何か?

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もし「損失が発生することがリスク」と考えているのであれば、その考え方は見直す必要があるかも知れません。投資においては損をすることがリスクではありません。投資におけるリスクとは不確定要素を意味します。そして不確定要素とは、誰にもわからない不確実なことです。

ウィキペディアなどでも経済上のリスクについては、次のような記載がされています。「リスクは、ある事象の変動に関する不確実性を指し、リスク判断に結果は組み込まれない。」

例えば、A株を200円で購入したとします。A株が10日後に上がっているのか、下がっているのかは誰にもわかりません。したがってこの場合はリスクがあると言えます。

では、次の場合はどうでしょう?

「この商品は1,000円ですが、3か月に必ず800円で買取ります。」

仮にこの商品を購入した場合、金額的には200円の損失が発生します。しかしこの場合、リスクはありません。なぜなら購入時点で3か月後に200円の損失が発生することが確定しており、不確定な要素がないからです。購入時にすでに確定している損失は、リスクではなくコストの概念といえるのです。

では、次の場合はどうでしょうか?

「この商品は1,000円ですが、3か月後に必ず1,200円以上で買取ります。」

この商品を購入した場合は、1,200円以上で買取ってくれるので必ず利益が発生します。しかし、1,200円で買取ってくれるのか、2,000円で買取ってくれるのかは確定していません。購入時点では不確定な要素があります。したがってこの場合は、リスクがあると言えるのです。すなわちリスクとは利益や損失に関わらず発生するものなのです。

株式投資におけるリスクの測定

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株式投資においてはリスクとは、収益率(リターン)からの隔たりや散らばりとされています。また、隔たりや散らばりが大きいほど不確定要素が多くリスクがあると捉えられます。

そして、これらの隔たりや散らばりを測定するのが「分散」や「標準偏差」と呼ばれるものです。まずは、例題を挙げ計算方法を確認します。

年 度     1  2  3  4

収益率(%)  8  5 -7  2

この場合の分散と標準偏差を求めてみます。まず、分散や標準偏差は収益率からのバラつきですので収益率の平均を求める必要があります。

収益率の平均

8+5+(-7)+2=8 8÷4=2

したがって、平均収益率(リターン)は2%になります。
分散や標準偏差の公式は次の通りです。

分散の式_図1.jpg

この公式に当てはめて計算するとこうなります。

分散  {(8-2)^2+(5-2)^2+(-7-2)^2+(2-2)^2}÷4=31.5
標準偏差 √(31.5)=5.61

リスク(標準偏差)の活用方法

そもそもなぜ、リスクを数値化する必要があるのでしょうか?
数値化をすることにより得られるメリットは次の2つです。

① ポートフォリオの作成

まず次のようなA株とB株を50%ずつ組み合わせた場合の収益率と標準偏差を考えてみます。


A株

年 度    1   2   3   4

収益率(%) 8   5  -7   2

平均収益率 2%

標準偏差  5.61%

B株

年 度    1   2   3   4

収益率(%) 3  -6   4   3  

平均収益率 1%

 標準偏差 4.06%

2つの資産からなるポートフォリオの分散と標準偏差は次のように計算します。

ポートフォリオ分散の式_図2.jpg

公式に基づき計算をすると、ポートフォリオの平均収益率は1.5%になり標準偏差は2.74%となります。

平均収益率はA株とB株の平均の1.5%ですが標準偏差はA株とB株の平均である4.84%を下回りました。これが、俗にいう分散効果です。実際にポートフォリオを組む際は、相関係数が非常に重要です。極力、負の相関にある商品や銘柄を組み合わせることでより大きな分散効果を発揮します。適切な商品や銘柄、保有比率を計算する為にもリスクの数値化は必要不可欠です。

② 効率的な投資対象を選定する為

ひとつ問題を出させて頂きます。あなたならどちらの銘柄を購入しますか?

X銘柄 リターン 50 リスク 20
Y銘柄 リターン 50 リスク 40

おそらくほとんどの方はX銘柄を選ぶのではないでしょうか。なぜならリターンが同じでもリスクはX銘柄の方が低いからです。このように数値化をすることでより効率的な投資対象を選定することが可能になります。先のポートフォリオの問題でも、B銘柄を単体で購入するより資金の半分をA銘柄に回すことで、より効率的な投資が可能になります。

まとめ

リスクをより深く知れば、効率的な投資が行いやすくなるのではないでしょうか。しかし注意も必要です。収益率や分散・標準偏差は過去のデータを基に算出されます。したがって時間の経過とともに数値が変化していきます。

これまでは、効率的であった投資やポートフォリオも時間の経過と共に非効率的なものになる可能性があります。定期的なリバランスは必要です。またいくら効率的な投資を行ったからと言っても、必ず利益を出せる訳ではありません。このことについても留意が必要です。